日本歴史地名大系 「五万石溝」の解説 五万石溝ごまんごくみぞ 鹿児島県:出水市五万石溝米(こめ)ノ津(つ)川上流部の下大川内下平野(しもおおかわうちしたびらの)で取入れて山腹を迂回、大野原(おおのはら)洪積台地を灌漑し、現在の汐見(しおみ)町洗切(あらいきり)浜で海に注いでいた用水路。灌漑面積一二〇町。当溝に関する記録・資料はほとんどなく、開削の経緯を知る手掛りは少ない。宝永年間(一七〇四―一一)頃に鹿児島藩主島津吉貴の命で起工したといい(鹿児島県維新前土木史)、二十数年の歳月をかけ、享保一九年(一七三四)に隧道二三ヵ所(延長八七八メートル)、底水道二ヵ所を有する二〇キロの用水路が完成した(出水の史跡と文化財)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by