五典(読み)ゴテン

精選版 日本国語大辞典 「五典」の意味・読み・例文・類語

ご‐てん【五典】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 儒教で、人のふみ行なうべき五つの道。父の義、母の慈、兄の友、弟の恭、子の孝。また、父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信をいう。〔書経‐舜典〕
  2. [ 2 ] 中国古代の聖王、少昊・顓頊・高辛・唐堯虞舜の五帝の書。
    1. [初出の実例]「於焉、結而三墳燦爛、刻木寝以五典鬱興」(出典性霊集‐四(835頃)進悉曇等書表)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐昭公一二年〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の五典の言及

【五常】より

…これを受け継いだ《白虎通義》には,仁とは生を好んで人を愛すること,義とは決断して中を得ること,礼とは道を履(ふ)んで文を成すこと,智とは微を見て著を知ること,信とは一を守って移らないこと,と述べられている。晋代以後になると,五常を五典,すなわち父は義,母は慈,兄は友,弟は恭,子は孝の教えであるとする説もあらわれた。【日原 利国】。…

※「五典」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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