五教(読み)ゴキョウ

デジタル大辞泉 「五教」の意味・読み・例文・類語

ご‐きょう〔‐ケウ〕【五教】

儒教でいう、人の守るべき五つの教え。君臣の義、父子の親、夫婦の別、長幼の序、朋友ほうゆうの信の五つとする説(孟子)と、父は義、母は慈、兄は友、弟は恭、子は孝の五つとする説(春秋左氏伝)とがある。五倫。五典。五常。
釈迦しゃか1代の教説を、五つに分類したもの。諸説があるが、華厳けごん宗でいう小乗教・大乗始教・大乗終教・頓教とんぎょう・円教の五つが最も著名。→五時教ごじきょう

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精選版 日本国語大辞典 「五教」の意味・読み・例文・類語

ご‐きょう‥ケウ【五教】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 儒教で、人が守らなければならないとする五つの教え。「書経‐舜典」に「汝作司徒、敬敷五教、在寛」とあるのによる語で、「孟子‐滕文公上」では「父子有親、君臣有義、夫婦有別、長幼有序、朋友信」とし、「春秋左伝‐文公一八年」では「父義、母慈、兄友、弟恭、子孝」の五つとする。→五倫五常。〔令義解(718)〕〔春秋左伝‐桓公六年〕
  3. 仏語。釈迦が説いた一代の教説を、内容の深浅難易の度合によって、五つに分類したもの。華厳宗の、法蔵の説がもっとも著名で、小乗教、大乗始教、大乗終教、頓教、円教の五つに分ける。→五教十宗
    1. [初出の実例]「如華厳宗五教而摂一切仏教」(出典選択本願念仏集(1198頃))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五教」の意味・わかりやすい解説

五教
ごきょう

(1) 釈尊の一生の教説を浅より深に5種に分類したもの。中国では南北朝以来,諸経論を形式,順序,意味内容などによって体系づけることが流行した。華厳宗の法蔵の五教十宗天台宗の智 顗 (ちぎ) の五時八教が最も代表的なものである。そのほかにも,斉の護身寺自軌の説──因縁宗,仮名宗,不真宗,真宗,法界宗。宋の慧観,法雲の説──有相教,無相教,抑揚教,同帰教,常住教。斉の劉きゅうの説──人天教,有相教,無相教,同帰教,常住教。融通念仏宗の説──人天教,小乗教,漸教,頓教,円教などがある。 (2) 儒教でいう人の遵守すべき5つの教え。五倫ともいう。『書経』に「父子親あり,君臣義あり,夫婦別あり,長幼序あり,朋友信あり」の記述がある。

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普及版 字通 「五教」の読み・字形・画数・意味

【五教】ごきよう

五倫。

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