五厘(読み)ごりん

精選版 日本国語大辞典 「五厘」の意味・読み・例文・類語

ご‐りん【五厘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代、一個の価が五厘の小さな饅頭(まんじゅう)
    1. [初出の実例]「三回忌膳に五厘を七つ引」(出典:雑俳・柳多留‐七七(1823))
  3. ( 客一人につき五厘ずつの手数料を取ったところから ) 東京で、寄席(よせ)と出演芸人との間に立って出演者の割り振りをする者。
    1. [初出の実例]「女義太夫の五厘は、先頃まで重兵衛といふ七十余の老人なりしが」(出典:都新聞‐明治二七年(1894)五月一〇日)
  4. ( 「五厘」と「五輪」の音が同じところから ) =ごりんごたい(五輪五体)
    1. [初出の実例]「父一点の精二厘五毛、母一滴の血二厘五毛、合して胎を為すと云ふことは五厘を分ちたる数にて、五厘は即ち五輪五体なり」(出典:淫事戒(1815))
  5. ごりんかへい(五厘貨幣)」の略。
  6. ほんの少し。わずか。下に否定の表現を伴って用いられる。
    1. [初出の実例]「仮令手を下して殺さずとも、その分解(いひわけ)は五厘(リン)もない」(出典人情本・清談若緑(19C中)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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