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女義太夫 オンナギダユウ

デジタル大辞泉の解説

おんな‐ぎだゆう〔をんなギダイフ〕【女義太夫】

寄席演芸の一つで、若い女性が義太夫節の触りを弾き語りするもの。また、その芸人。江戸末期から大正時代にかけて流行した。→娘義太夫どうする連

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百科事典マイペディアの解説

女義太夫【おんなぎだゆう】

女の義太夫語り。娘義太夫,女義ともいう。人形は伴わない。江戸末期から明治末年にかけて流行。〈どうする〉と掛声をかける熱狂的な学生ファンは〈どうする連〉と呼ばれた。

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世界大百科事典 第2版の解説

おんなぎだゆう【女義太夫】

女性の語る義太夫節で,娘義太夫ともいう。1802年(享和2)に京都の少女が大坂へ出て大当りをとったのち,大坂では人形入りでしばしば興行された。江戸でも芝のお伝は名高いが,1805年(文化2)以降,風俗壊乱を理由に禁止される。しかし1837年(天保8)には,《娘浄瑠璃芸品定》という評判記が出版されるほどもてはやされたので,天保改革(1841)では弾圧を受け,36人が投獄された。明治の東京では素(す)浄瑠璃の形式で大流行するが,その基礎を作ったのは,82年に名古屋から再度上京した竹本京枝と,大阪で盛名をはせていた竹本東玉東上(1885)である。

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大辞林 第三版の解説

おんなぎだゆう【女義太夫】

女の義太夫語り。また、女が語る義太夫節。江戸末期から明治に流行した。女義じよぎ。 → 娘義太夫

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

女義太夫
おんなぎだゆう

女性の義太夫節語り。女流義太夫、略して「女義(じょぎ)」ともいう。1877年(明治10)寄席(よせ)取締規則が改正されて女芸人が寄席へ出られるようになると、83年に名古屋から竹本京枝(きょうし)が、85年に義太夫の本場大阪から竹本東玉(とうぎょく)と竹本綾之助(あやのすけ)が上京、東京の各寄席は満員の盛況を続けた。86年には名古屋から竹本小土佐(ことさ)も上京、当時10代初めの綾之助・小土佐はともにボーイッシュ・スタイルで人気を集め、いわゆる「娘義太夫」の評判を高めた。ことに綾之助は「八丁荒(はっちょうあらし)」とよばれて周囲8丁の高座の客を独占し、以後、日清(にっしん)戦争の終わる95年ころまでが娘義太夫の全盛期であった。当時の聴衆は、芸の鑑賞よりも、10代から20代前半の娘たちの容貌(ようぼう)や身ぶりに熱狂したのであり、ことに書生連中は感極まると「どうするどうする」と奇声をあげ、堂摺連(どうするれん)を結成して、娘義太夫語りを寄席から寄席へと追いかけた。
 1898年綾之助は結婚のため引退、その直後に名古屋出身の豊竹呂昇(とよたけろしょう)が東上する。呂昇は美貌・美声・声量と三拍子そろったうえ、本場大阪仕込みの芸で万人を魅了し、のちには東京・有楽座の名人会にも出演、作家や紳士の後ろ盾を得て、寄席芸と卑しめられていた女義太夫のイメージアップをなした。一方、堂摺連は依然猛威を振るい、1898年(明治31)文部大臣外山正一(とやままさかず)の、寄席における風紀の乱れに関する発言などもあり、女義太夫の興行側も楽屋に客を入れないなど風紀矯正の姿勢をみせるほどであった。大阪にも、呂昇が本拠にしていた播重(はりじゅう)などいくつかの定席(じょうせき)があったが、本行(ほんぎょう)の男性浄瑠璃(じょうるり)太夫に圧倒され、東京ほどの隆盛をみることはできなかった。
 日露戦争後、琵琶(びわ)や浪花節(なにわぶし)が流行するにつれて女義は衰退し、1923年(大正12)の関東大震災後は凋落(ちょうらく)の一途をたどった。さらに第二次世界大戦で公演の場を失って絶滅の危機に瀕(ひん)したが、竹本素女(もとめ)(1966没、82歳)の尽力によって復興、51年(昭和26)以降定期公演を続けている。57年には男の太夫も交えた義太夫協会が発足、80年には会員30名よりなる義太夫節保存会が重要無形文化財の総合指定を受けたが、その大半は女性である。また、竹本土佐広(とさひろ)の浄瑠璃が82年に、鶴沢友路(ともじ)の三味線が98年(平成10)に、竹本駒之助(こまのすけ)の浄瑠璃が99年に同各個指定を受けた。なお、2001年3月現在の協会正会員数は83名、うち女性は58名で、定期公演は毎月1回、東京都千代田区の国立演芸場で開催している。[土岐迪子]
『岡田道一著『明治大正女義太夫盛観物語』(1953・明徳印刷出版社)』

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