井手平城跡(読み)いでひらじようあと

日本歴史地名大系 「井手平城跡」の解説

井手平城跡
いでひらじようあと

[現在地名]佐世保市新替町

井手平丘陵(五〇―六〇メートル)に築かれた中世の山城跡。築城年代は未詳ながら平戸松浦鎮信が南の大村氏、東の波多氏に対して構えた番城の一つとされる。天正一四年(一五八六)大村純忠は旧領の早岐はやき方面を回復するために有馬氏・有田氏・波多氏と連合して当城を攻略、城代の岡甚左衛門以下は戦死し、城は落ちたが、鎮信は隣接する支城広田ひろた城で大村氏の軍勢を迎えてこれを撃破したという(印山記)。同一八年岡甚左衛門ら家臣の霊を鎮めるために松浦鎮信は薬王やくおう寺を建立し、元和二年(一六一六)には岡家が石灯籠を寄進している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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