改訂新版 世界大百科事典 「交河古城址」の意味・わかりやすい解説
交河古城址 (こうがこじょうし)
Jiāo hé gǔ chéng zhǐ
中国,新疆ウイグル自治区吐魯番(トウルフアン)県五星公社にある都城址。ヤール・ホトYar Khotoとも呼ばれる。吐魯番県西方約10km,東西を涸川(かれがわ)でえぐられた南北1650m,東西300m,高さ30mの細長い沖積台地面全体を指す。河流が城下を繞(めぐ)るのでこの名を得るという《漢書》の記録を遺跡の状況に照合して,漢~元時代の交河城,交河郡(高昌国),交河県(唐),交河(ウイグル)に当てるのが通説である。城壁は南西端に少しあるのみ。崖が自然の囲壁になっていた。門跡は東部に1ヵ所,他に3ヵ所あったらしい。中部から南部に遺構が集中し,中央西に偏して南北350m,幅10mの大路が走り,その北西に大規模な仏寺跡が残り,その北東に坊墻(ぼうしよう)をもつ民居が集中している。大路中部以南は大型の方形建築が散在する。遺跡の中部から北は,若干の仏寺・仏塔のほかは墳丘をもつ墓地である。仏塔は,高い基壇上に5塔をおく主塔を中心にして四方に25塔ずつのブロックをつくる。仏寺は僧坊と仏龕(ぶつがん)付きの塔とを同じ囲壁の中につくる。
執筆者:桑山 正進
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報