亥の子餅(読み)イノコモチ

デジタル大辞泉 「亥の子餅」の意味・読み・例文・類語

いのこ‐もち〔ゐのこ‐〕【×亥の子餅】

亥の子の日に新穀で作る餅。 冬》山茶花さざんかの紅つきまぜよ―/久女

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「亥の子餅」の意味・わかりやすい解説

亥の子餅
いのこもち

旧暦 10月の亥の日につくる餅をいう。この餅を食べると無病息災でいられるという中国俗信が日本に移入されたもの。平安時代以来,いのししの多産にあやかって朝廷などで産育祈願のために亥の子の形につくった餅 (亥猪ともいう) が贈答されてきた。民間には亥の子に関する信仰内容が次第に変遷しながら普及したらしい。西日本を中心として秋の収穫祭と結びつき,この日に亥の子餅をつくり,作神様などに供え祀っている。この餅は,親類農作業を手伝ってくれた人などに配られる。また子供たちがこの餅をもらって歩く風習もみられる。

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