京都覚書(読み)きようとおぼえがき

日本歴史地名大系 「京都覚書」の解説

京都覚書
きようとおぼえがき

二冊 著者不詳

写本 東京大学史料編纂所

解説 編纂所本は、奥書によって昭和九年(一九三四)、東京市小石川区大塚坂下町五五狩野亨吉氏所蔵本から影写したことが知られる。正式には「元禄四辛未年京都覚書」。序文跋文なく、編集の経緯も明らかでないが、京都御役所向大概覚書系譜に連なる公的な記録と考えられる。内容は表題にある元禄四年(一六九一)または五年に及ぶ記述もあるが、基調となっているのは元禄三年改の覚書であり、それが天和三年(一六八三)改の場合と対比的に記載されているところに特色がある。京都所司代や京都町奉行所を含む幕政史研究にとって、数少ない貴重な史料。なお国立公文書館内閣文庫蔵の「京中録」(写本・一冊)は、本書の類本と考えられる。

活字本 日本都市生活史料集成一(三都篇I)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報