人工海藻(読み)じんこうかいそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「人工海藻」の意味・わかりやすい解説

人工海藻
じんこうかいそう

化学繊維を用いて葉状海藻を模倣した加工品。内湾のアマモ帯やホンダワラカジメアラメなどが繁茂する藻場(もば)は、魚貝類の産卵場や稚仔魚(ちしぎょ)の成育の場として重要である。したがって、海藻が生育しない砂地などの海底に、ポリエチレンなどの化学繊維でつくった海藻様の加工物を設置して、藻場を人工的に形成する試みがなされている。いままでアオリイカなどの産卵床のために樹木を束ねて沈設していたものを人工海藻に置き換えたり、沈船やコンクリートブロックなどの人工魚礁に人工海藻を取り付けて、集魚効果の増加を期待している。また、貝類の種苗採捕に用いることもある。しかし、化学繊維で作製した人工海藻は時間の経過とともに付着生物の重み浮力を維持できなくなることもある。また、波浪などでちぎれた場合は、腐らないため、海岸に打ち上げられると漂着ゴミとなってしまう。

[吉原喜好]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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