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魚礁/漁礁 ギョショウ

百科事典マイペディアの解説

魚礁【ぎょしょう】

海底の隆起部で,好漁場を形成しているところ。漁とも。このような場所では海水の上昇流や渦が起こり,海底の水に含まれる栄養塩類が太陽光線の届くところに押し上げられた結果,光合成を行う植物性プランクトン増殖し,それを餌にする動物性プランクトンも増加する。
→関連項目マリノフォーラム21

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょしょう【魚礁 fishing bank】

海底に隆起部が存在すると,渦流や湧昇(ゆうしよう)流が生じて,海底の栄養塩が表層に運ばれて生産力が高まったりするため,好漁場となることが多い。これは堆礁漁場といわれるが,このような漁場が形成される海底の隆起を魚礁という。慣用で漁礁とも書かれる。 魚礁は大陸棚上にあるものと大陸棚を離れて孤立する沖合部のものとがある。また成因からは構造性魚礁と火山性魚礁が区別されるが,このほかにサンゴ礁がある。火山性魚礁には火山帯に散在する浅瀬で,海底に噴き出して海面に達しない海底火山と,海上にあった火山島が海食あるいは陥没などによって頂部が水面下に没したものとがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

魚礁
ぎょしょう

海底の隆起部で、魚類が集まって好漁場となる場所。そこで漁業が行われている場合は漁礁とも表記される。その形、広さ、水深、底質により岩礁、堆(たい)、州(す)、瀬(せ)などとよばれる。魚礁付近は、地形に沿って上昇流や下降流が生じて海水の循環が活発となり、深層の栄養塩類が日光の透入する上層まで運ばれる。そのため、上層はプランクトンの繁殖が旺盛(おうせい)となり、これを餌料(じりょう)とする小魚が集まり、さらにそれをねらって大形魚が集まるようになり、結果として好漁場が形成される。また魚礁はその複雑な構造が魚類が外敵から身を守るのに適しており、さらに魚礁の周りは渦流が生じるので、魚類が滞留しやすいことなども、好漁場の要素としてあげられる。魚礁は、その成因により火山性魚礁、構造性魚礁、サンゴ礁に分類される。日本近海には好漁場となる魚礁が多く存在するが、なかでも日本海の大和(やまと)堆、武蔵(むさし)堆、太平洋側の蒼鷹(そうよう)堆、高鵬(こうほう)堆、紅南(こうなん)堆などは特色があり、水深3000メートル以上の海底から海面下数百メートルに突き出た浅瀬で、釣りや延縄(はえなわ)などの好漁場として回遊魚や底生魚が漁獲される。また、伊豆沖の大室(おおむろ)出し、銭州(ぜにす)、黒瀬などはマサバ太平洋系群の産卵場として知られ、西之島、青ヶ島、鳥島、宝島、悪石島(あくせきじま)、八丈小島、ベヨネーズ列岩などの小島嶼(とうしょ)も魚礁の役割を果たしており、これらは島つき魚群の漁場となる。また、深海底から突出している海山(かいざん)も漁場的価値が知られるようになり、ニホンウナギの産卵場所が、マリアナ諸島沖のスルガ海山付近であることが、長年の研究で明らかになった。
 魚礁に魚が集まる性質を利用して人工魚礁をつくり、効率よく魚をとることは古くから行われており、廃船を沈めたり、岩石、土俵、バスや電車などの老朽車両を魚礁として投入していた。1954年(昭和29)から人工魚礁設置事業が国の補助の対象となり、コンクリートブロックなどを魚礁として投入している。さらに、軽量で耐波抵抗のある魚礁の材質や、魚の集まりやすい形状の研究も進み、投入規模も年々大型化している。[吉原喜好]

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