人種不平等論(読み)ジンシュフビョウドウロン

デジタル大辞泉 「人種不平等論」の意味・読み・例文・類語

じんしゅふびょうどうろん〔ジンシユフビヤウドウロン〕【人種不平等論】

原題、〈フランスEssai sur l'inégalité des races humainesゴビノーによる評論。1853年から1855年にかけ発表。純血種のアーリア人を最優秀人種と位置づけ、黒人黄色人種などを劣等人種とする差別的思想を説くもので、のちに反ユダヤ主義ナチズムに援用されることとなった。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の人種不平等論の言及

【ゴビノー】より

…《中央アジアにおける宗教と哲学》(1865),《ペルシア人史》(1876)などの民族研究,紀行文はその成果である。さらに彼は,人種の本質的不平等,アーリヤ人種の優越性を骨子とする人種哲学〈ゴビニスム〉を主張,《人種不平等論》(1853‐55)でそれを理論化し,ナチズムの民族主義の先駆者となった。また,スタンダール的な乾いた文体で,野心的エネルギー礼賛と貴族主義を説いた長編小説《プレイヤード》(1874),戯曲《ルネサンス》(1877)によって,ロマン派と異なる文学を生み出した。…

※「人種不平等論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android