ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グラスラン」の意味・わかりやすい解説
グラスラン
Graslin, Jean Joseph Louis
[没]1790. ナント
フランスの経済学者。重農主義の批判者として知られる。弁護士,サンカンタンの収税官を経て,1758年からナントの徴税請負区収税官として市の発展に貢献した。彼の学説は効用価値説の立場に立ったもので,重農主義の「純生産」の理論に反対し,生産費に等しい価値しかもたない生産物も富であり,工業も生産的であるとした。同時代人として重農主義者を経済理論上,またその政策上において体系的に批判した唯一の人として当時は大いに意味をもったが,後世への影響は少い。主著『資産への間接税の影響について』 Sur l'influence de l'impôt indirect sur les biens fonds (1767) ,『富と租税についての分析の試み』 Essai analitique sur la richesse et sur l'impôt (67) 。
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