仁尾湊(読み)におみなと

日本歴史地名大系 「仁尾湊」の解説

仁尾湊
におみなと

[現在地名]仁尾町仁尾

ひうち灘に面した湊。仁尾は三方が山に囲まれており、交通路を海上に求めたため湊が発達した。延文三年(一三五八)九月日の詫間庄領家某寄進状(賀茂神社文書)に「詫間御庄仁尾浦」がみえ、この頃から湊が発展していったと推定される。賀茂社神人の海上活動の中心地として室町期以降栄えた(→賀茂神社。守護細川満元のときに守護御料所となり、香西氏が浦代官として置かれた。嘉吉の乱の際には香川修理亮から兵船徴発が行われるが、神人たちは訴訟・逃散を行って抵抗しており(嘉吉元年・同二年六月・同年一〇月「仁尾浦神人等言上状案」同文書)、多数の船が存在したと考えられる。文安二年(一四四五)の「兵庫北関入船納帳」の「丹穂」は仁尾をさし、塩・赤米などを仁尾からの船が輸送している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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