御座船(読み)ゴザブネ

デジタル大辞泉 「御座船」の意味・読み・例文・類語

ござ‐ぶね【御座船】

貴人の乗る船。また、将軍大名などの乗る豪華な船。
川遊び屋形船
芝居の果てより―をさし寄せ」〈浮・一代女・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「御座船」の意味・読み・例文・類語

ござ‐ぶね【御座船】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ござふね」とも )
  2. 貴人の乗る船。御召船。
    1. [初出の実例]「我が君の 御浜出の御座船の 滑車(せみ)の上に 千代と云ふ鳥 舞ひ遊ぶ」(出典:皇太神宮年中行事(1192)贄海神事歌)
  3. 水軍の船隊編成で、大将の乗る軍船。戦国時代では一般に安宅船(あたけぶね)を用いる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. 江戸時代、将軍や大名などの乗る豪華な船。特に、御召関船と呼ばれた海御座船は西国大名などが参勤交代国元から大坂までの航海に用いたものが代表的で、このほかに河川用の川御座船がある。〔和漢船用集(1766)〕
  5. 江戸時代、富裕な町人などが川遊びに用いた屋形船。町御座船。町屋形船。借御座船。
    1. [初出の実例]「笛太鞁世間はばかるけしきもなく、天下の町人の思ひ出に、御座舟(ゴザフネ)うちには」(出典:浮世草子好色一代男(1682)五)

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防府市歴史用語集 「御座船」の解説

御座船

 身分の高い人が乗る船のことです。

出典 ほうふWeb歴史館防府市歴史用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内の御座船の言及

【関船】より

…このころ初めて現れるとがった船首材(ミヨシ)を備え,青竹のすだれなどで軽量の防備を施した本格的中型構造船であり,水軍船隊の巡洋艦的役割を果たす。第3期は江戸時代であり,泰平の世となるや幕命により即刻没収焼却された主力艦安宅船(あたけぷね)とは異なり,依然保有を許された巡洋艦関船は,惣漆(そううるし),金泥(きんでい),金金具(きんかなぐ)などで美々しく装われ,将軍,大名の海上巡幸や参勤交代時の専用御召船,すなわち〈御座船(ござぶね)〉へと,華麗なる変身を遂げる。なお,関船は早船(はやふね)(小型のものは小早(こばや))とも呼ばれる。…

【屋形船】より

…上に屋形を設けた船。〈御座船〉とも〈遊山船〉ともいった。平安時代以後川舟などに用いられたが,中世までは貴人専用であった。…

※「御座船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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