介護・保育ユニオン(読み)かいごほいくゆにおん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「介護・保育ユニオン」の意味・わかりやすい解説

介護・保育ユニオン
かいごほいくゆにおん

介護、保育、障害者施設など、福祉の現場で働く人たちの権利を守るため、2016年(平成28)6月に発足した労働組合。労働条件や労働環境を改善していくことを目的とする。2014年にNPO法人POSSE(ポッセ)が設立した「ブラック企業対策ユニオン」が、より幅広い問題についての相談を受けるために2015年に「総合サポートユニオン」と名称変更し、その支部の一つとして組織された。介護、保育などの福祉の現場で働いていれば、正規・非正規を問わず、1人でも入れる労働組合である。介護や保育の現場で働く人のなかには、基準を超えた長時間労働、賃金や残業代の未払い、パワー・ハラスメントなどの問題を抱えて悩む人も多いが、職場や組織に組合がないことも多く、悩みを1人で抱え込む人も少なくない。介護・保育ユニオンではそういった問題についての相談を受け付け、労働基準監督署など必要な行政機関の紹介や職場との団体交渉などを行う。職員の働き方の改善を通し、福祉施設の利用者にとってもよりよい福祉が実現できることを目ざしている。

[猪熊弘子 2019年3月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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