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団体交渉 だんたいこうしょう

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

団体交渉

労働条件の改善などを求め、労働者が団結して労働組合を結成し、使用者側と交渉を行うこと。労働者と使用者が個別に交渉を行うと、どうしても労働者が不利になりがちである。そこで、労使の対等な交渉を実現するために、労働組合が主体となって交渉を進める権利(団体交渉権)が、法的に認められている。

出典|ナビゲート
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知恵蔵2015の解説

団体交渉

労働条件についての労働組合と使用者(またはその団体)の間の交渉。労働者個人と使用者との交渉に代わり、労働組合が組合員の利益を代表して使用者と交渉、協定を結ぶという意味で、集団的取引である。団体交渉は労働組合の主要な機能であり、労働組合法で労働者の団体交渉権として保障されている。通常は賃金、労働時間、休日、休暇、付加給付安全衛生などが対象となる。投資、財務、人事事項など経営者の専決事項は原則として対象とならないが、合理化、人員整理など労働条件に関する限りでは、団体交渉事項となりうる。団体交渉で合意、決定された事項は、労働協約として明記の上、その後の労使関係を律するルールとなる。時に団体交渉との境界線が不分明になるが、労働組合(あるいは従業員代表)が使用者と企業経営上の諸問題、とりわけ労働者の雇用・労働条件や生活上の利害関係に直接・間接に影響する諸問題について、情報や意見を交換する常設的機関、あるいは制度として労使協議がある。企業や事業所レベルで設置されるが、産業別労使会議呼ばれる産業・業種レベルの労使協議機関もある。この制度自体についての法的規定はなく、労使の自主的な制度である。経営協議会、労使協議会などの名称で呼ばれ、労働協約に通常、その旨規定されていることが多い。日本では労働組合の組織されていない企業、事業所でも労使協議機関が存在する場合が多い。

(桑原靖夫 獨協大学名誉教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

だんたい‐こうしょう〔‐カウセフ〕【団体交渉】

労働組合や争議団が、使用者またはその団体と労働条件その他について交渉すること。団交。

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世界大百科事典 第2版の解説

だんたいこうしょう【団体交渉 collective bargaining】

労働者が団結し,みずから選んだ代表者を通じて,雇用・労働条件につき,使用者または使用者団体と取引または交渉をすることをいう。個人的な取引や個人別交渉に対比される概念であり,団体交渉に当たって労働者を集団的に代表する組織は,通常は労働組合である。労働者は一般的に個人交渉によっては,経済的優位に立つ資本家や使用者に対して対等の立場で雇用・労働条件の取引をすることができない。そこで労働者はまず団結し,個別交渉による労働者相互の間の競争を制限し,また場合によってはストライキによる労働力の売止めを行う力を背景にして団体交渉を行い,資本家や使用者との取引のうえで対等の立場に近づくことができる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

だんたいこうしょう【団体交渉】

労働組合と使用者との間で、労働条件などをめぐって行われる交渉。団体交渉権は憲法の保障する労働基本権の一つで、使用者が正当な理由なく拒否すると不当労働行為となる。団交。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

団体交渉
だんたいこうしょう

労働組合と使用者または使用者団体との間で、労働条件をはじめとする労使関係上の諸問題をめぐって行う交渉をいう。個別的な関係では使用者に対して弱い立場にある労働者は、労働組合を結成し、その力を背景とした団体交渉によって初めて使用者と対等の立場で交渉し、労働条件の維持・改善、その他労働者の地位の向上を図ることができる。
 歴史的にみれば、使用者はつねに労働組合との団体交渉を拒否してきたし、あえて交渉を強要すれば、労働組合は面会強要罪、建造物侵入罪などの刑事責任を問われた。したがって、団結権が承認されたことは、使用者が労働組合を団体交渉の相手方として承認すること、また、交渉の実行行為者に対し刑事・民事責任を問わないことを意味していた。
 今日では、団体交渉は労働組合が労使関係上のあらゆる問題を解決するためのもっとも中心的な手段であり、団結権の保障により、使用者は労働組合と誠実に交渉する義務があることから、団体交渉が自主的な労使関係のルールを形成するうえで果たす役割は大きい。
 日本では、憲法第28条が労働者の団体交渉権保障を規定していることから、団体交渉権は規模の大小を問わずすべての労働組合に保障される。また、同条が「団体交渉その他の団体行動をする権利」を保障すると規定していることから、団体交渉に伴う一定の団体行動に対しては刑事・民事免責が認められる。
 憲法の団体交渉権保障を受けて、労働組合法第1条は、「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的」とし、第7条2号で使用者による団交拒否を不当労働行為の一つとして規定し、労働委員会による行政救済を設けている(27条)。団体交渉に誠実に応じようとしない使用者に団交応諾義務を課すことで、憲法の団交権保障を具体化しているのである。しかし、使用者の団交応諾義務はかならずしも妥結・協定締結義務までも含むものではなく、団体交渉がまとまらないときは争議行為を通じて問題の解決が図られることになる。
 公務員の場合には団体交渉権が保障されているにもかかわらず、登録された職員団体しか団体交渉を行えない。そのうえ、交渉事項が限定されているばかりか、労働協約の締結権さえ否認されている(国家公務員法108条の5、地方公務員法55条)。さらに、公務員は団体交渉を支える争議権が全面的に剥奪(はくだつ)されているので、その団体交渉はいわば「陳情」に近い性格のものとなっている。
 団体交渉が実際にどのような方式で行われるかは、労働組合の組織形態や労使関係のあり方に規定される。一般に西ヨーロッパにおいては、労働組合が企業の枠を超えた個人加盟の産業別組織形態をとっていることから、団体交渉も産業別団体交渉方式となっている。産業別交渉が制度化するにしたがい交渉機構の中央集権化と職場組織の空洞化が進み、職場の労働者の要求に立脚した職場レベルの交渉の構築・強化が、各国の労働組合運動の大きな課題となってきた。
 これに対し日本の団体交渉は、労働組合が企業別組織形態であることから、個別企業と企業別組合による企業内交渉が支配的であった。この企業別交渉の弱点を克服する方向として、統一交渉、対角線交渉、共同交渉、集団交渉などの産業別組織が関与した交渉方式もとられてきた。近年、「地域ユニオン」や「管理職ユニオン」などの合同労組は、非正規労働者などをひとり組合員として組織し、その労働者が雇用されている企業と交渉をすることで、個別・具体的な問題解決を図っているが、こうした交渉形態は従来の企業内交渉の枠を超えるものとして注目される。[寺田 博]
『石井照久著『労働法実務大系4 団体交渉・労使協議制』(1972・総合労働研究所) ▽『野村平爾著作集3 団体交渉と協約闘争』(1978・労働旬報社) ▽日本労働法学会編『現代労働法講座4 団体交渉』(1981・総合労働研究所) ▽光岡正博著『団体交渉権の研究』新訂版(1986・法律文化社) ▽青木宗也ほか著『労働判例大系12 団体交渉』(1992・労働旬報社) ▽初岡昌一訳・解説『結社の自由と団体交渉――ILO条約勧告適用専門委員会報告』(1994・日本評論社) ▽坂本重雄著『団体交渉権論』(1994・日本評論社) ▽日本労働法学会編『講座21世紀の労働法第8巻 利益代表システムと団結権』(2000・有斐閣)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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世界大百科事典内の団体交渉の言及

【労働組合】より

…一般には地域別と職場別に組織されており,職場別が多くなってきている。
【労働組合の機能】
 労働組合が労働条件を改善する方法は大別して,(1)相互扶助,(2)団体交渉,(3)立法という3方法がある。相互扶助は労働者が失業や病気の際などに互いに助け合うことを通じて,生活難から低い労働条件で労働することを予防し,より高い水準を達成しようとする方法であり,団体交渉は使用者との集団的交渉を通じて目的を達する方法である。…

【労働組合法】より

…旧労組法は,搾取と酷使から労働者を保護し,かつ生活水準の向上のため有力な発言権を得るための威信を獲得し,また児童労働のごとき弊害を矯正するに必要な措置を講ずるとのアメリカの方針に沿ったものであり,労働組合運動を苦しめてきた治安維持法および治安警察法は1945年10月15日および11月21日に廃止された。旧労組法は,警察官吏,消防職員および監獄において勤務する者の団結を禁止したものの,原則としてすべての労働者に団結権,団体交渉権および争議権を保障した。前衛政党は労働組合運動を民主化運動,戦争責任追求運動へと指導した。…

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