付物・憑物(読み)つきもの

精選版 日本国語大辞典 「付物・憑物」の意味・読み・例文・類語

つき‐もの【付物・憑物】

〘名〙
[一] (付物)
① その物に当然付属してあるもの。ある物がその機能を発揮するためには欠くことのできない付属品。つけもの。
※浄瑠璃・時代織室町錦繍(1781)四「ホンニ上り框(がまち)女房も道具の内、何と附物(ツキモノ)になって下さんせぬか」
② ある物の状態に必ず付随していると考えられている性質
※門三味線(1895)〈斎藤緑雨〉二三喧嘩は子供に附物(ツキモノ)
③ 書籍や雑誌に綴じ込んだり差し込んだりされる付属印刷物の総称。カバーや帯なども含む。
④ 余分であったり邪魔だったりするもの。
※談義本・風流志道軒伝(1763)四「目利者に見付られ、爰の所は不出来なり、此岩は付物なんどと、似せ物師の名を請ん事、末代恥辱なれば」
[二] (憑物) 人にとりついてその人に災いをなすと信じられている動物などの霊。これに憑かれると一種の精神異常を起こすという。狐憑き、犬神憑き、外道(げどう)、とうびょうなどいろいろの種類がある。もののけ。
風姿花伝(1400‐02頃)二「けりゃう、つきもののしなじな、神・仏・生霊・死霊のとがめなどは、そのつき物のていをまなべば、やすく、たよりあるべし」
※北の岬(1966)〈辻邦生〉「私の気持は前の日と変って、まるで憑きものが落ちたように静かだった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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