仙波河岸(読み)せんばがし

日本歴史地名大系 「仙波河岸」の解説

仙波河岸
せんばがし

[現在地名]川越市仙波町

新河岸川舟運最上流に設けられた河岸場で、明治一一年(一八七八)・同一二年頃に開設された。おうぎ河岸の上流に城下町と直結する河岸場を設けることは江戸時代から川越町人の強い要望で、弘化三年(一八四六)に仙波東照宮と三芳野みよしの天神社修復用材運送のため大仙波おおせんば愛宕下あたごした仮設の荷揚場が造られたのを契機に、川越町年寄と頭取名主は連名でその払下げを受け城下町人で経営する計画を出願した(坂戸市林家文書)。この背景には扇河岸下新しもしん河岸など五河岸問屋が直接周辺農村から荷物の集荷を行ったため川越町方の商業が衰微していること、五河岸側が運賃の引上げを行ったことなどがあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android