代官見立新田(読み)だいかんみたてしんでん

精選版 日本国語大辞典 「代官見立新田」の意味・読み・例文・類語

だいかんみたて‐しんでん ダイクヮン‥【代官見立新田】

〘名〙 江戸時代新田開発の一方法。幕府代官が御料内に開発可能な地区を見立て、農民に開発させた新田。江戸前期に多い。

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デジタル大辞泉 「代官見立新田」の意味・読み・例文・類語

だいかんみたて‐しんでん〔ダイクワンみたて‐〕【代官見立新田】

江戸時代、幕領代官が開発可能な土地を見立てて農民に開発させた新田。成功した場合には新田年貢の10分の1が代官に給与された。→新田開発

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「代官見立新田」の解説

代官見立新田
だいかんみたてしんでん

江戸時代,幕府代官が新田開発可能地をみいだし,その主導で開発された新田。積極的に奨励されたのは享保期で,1722年(享保7)7月~23年11月に,新田を開発した代官に対し新田年貢の10分の1を1代かぎり支給することが決定された。下総小金・佐倉両新田を開発した代官小宮山杢之進昌世(まさよ)に支給されたのがその一例。しかし,代官が見立てをしても,実際の開発は村請で行われることが多かったため,代官がどの程度新田開発に関与したら10分の1を支給するかの判定は難しかった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「代官見立新田」の意味・わかりやすい解説

代官見立新田
だいかんみたてしんでん

幕府代官が適地を見立てて開発させる新田。農民は本百姓(ほんびゃくしょう)となる。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「代官見立新田」の意味・わかりやすい解説

代官見立新田
だいかんみたてしんでん

江戸時代,天領の代官が開発適地を選定し,近傍の農民に開発させた新田。江戸時代前期に比較的多くみられる。見立開発をして成功した場合,代官に身一代限り新田年貢の 10分の1が支給された。

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旺文社日本史事典 三訂版 「代官見立新田」の解説

代官見立新田
だいかんみたてしんでん

江戸時代,新田の一つ
幕府の代官が新田開発にふさわしい地を見つけ,指導して開発されたもの。

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世界大百科事典(旧版)内の代官見立新田の言及

【新田開発】より

…開発主体による新田類型は幕藩領主による官営新田と被支配者である土豪・農民・町人などによる民営新田である。 幕府の新田開発は代官見立新田と勘定所の監督工事であり,近世初頭に大規模かつ積極的に行われた。代官見立新田とは全国の天領を支配している代官が管内に開発可能地を見いだし,勘定奉行の許可を得て適当な担当者に開発させたものである。…

※「代官見立新田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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