改訂新版 世界大百科事典 「代搔き」の意味・わかりやすい解説
代搔き (しろかき)
水稲の作付けにあたって,耕起,砕土した水田に水を入れ,水の中で土をかくはんしてコロイド状の泥とし,田面を均平にする作業。目的は,(1)土を砕いて軟らかくし,かつ田面を平らにして田植作業を容易にする。(2)肥料,堆肥などを土と混和して均一な土壌条件を作る。(3)すき床(耕起の際すきの底の通過する面。この面から下は耕起されない)上で土を練って漏水を防止するなどである。代搔きは砕土を中心とする荒代(あらしろ),砕土均平を兼ねる中代(なかしろ),均平を中心とする植代(うえしろ)を数日おきに行う。作業には,かつては人力のくわ,えぶり,畜力のまぐわなどが使われたが,現在では機械が普及し,耕耘機やトラクターにかご車輪,ロータリー,代搔きローター,ドライブ・ハローなどを装着して行うことが多い。また,田面の均平化には,木製のはしご,太い角材,均平板などを引いて走ることが行われる。
執筆者:春原 亘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報