仮初ながら(読み)かりそめながら

精選版 日本国語大辞典 「仮初ながら」の意味・読み・例文・類語

かりそめ【仮初】 ながら

① ほんの一時のことではあるが。仮のことではあるが。
※車屋本謡曲鉢木(1545頃)「かり初ながら値遇えん一樹の陰のやどりも、此よならぬ契りなり」
② ちょっとしたことではあるが。ふとしたことだが。
※謡曲・玉井(1516頃)「さても兄(このかみ)火闌降(ほのすそり)の命の釣り針を、かりそめながら海辺に釣りを垂れしに、かの釣り針を魚に取られぬ」
実質は十分そなえていないにしても。いやしくも。かりにも。
黄表紙・高漫斉行脚日記(1776)下「かりそめながら鎌倉殿のさむらひがそのありさま不埒至極」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android