伊奈銅鐸出土地(読み)いなどうたくしゆつどち

日本歴史地名大系 「伊奈銅鐸出土地」の解説

伊奈銅鐸出土地
いなどうたくしゆつどち

[現在地名]小坂井町伊奈 松間

豊川下流右岸に広がる洪積台地の末端標高三メートルにある。大正一三年(一九二四)の暮れ、畑耕作中に発見された銅鐸は三個で、高さ各七四センチ、八一センチ、八二センチのやや大型のもので、すべて三遠式突線帯文銅鐸である。

付近には弥生後期の土器片が出土し、これらの銅鐸がこの時期の所産であることを推定させた。県内二八個の出土が伝えられる銅鐸のうち、東三河では約半数の一三個が出土したといい、宝飯郡内には、本例のほか源祖げんそ(現豊川市平尾町)千両ちぎり(現豊川市)広石ひろいし(現御津町)で計六個の出土が知られている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報