伊平屋島玉御殿(読み)いへやじまたまうどうん

日本歴史地名大系 「伊平屋島玉御殿」の解説

伊平屋島玉御殿
いへやじまたまうどうん

[現在地名]伊是名村伊是名

伊是名グスクの麓にある第二尚氏の始祖である尚円(金丸)の親族の墓。通称伊是名玉御殿(琉球国由来記)。県指定史跡。切妻式の破風墓で、内部は東西両室からなる。東室には中国舶来の青石(輝緑岩)を削った二基の石厨子が安置されている。石厨子(二基)は県指定文化財。向姓系図家譜(銘苅家)によると、尚真王代の創建と伝え、初めは勢理客じつちやく村のウツタグチテランソウにあったが、のち仲田なはだ村の東佐久田原あがりさくたばるに移動し、さらに現在地に移ったという。現在地の墓は初め木造住宅様の造作(おそらく木龕)で、その中に二基の石厨子を安置し、この造作全体を包むように木造の建物が覆う二重式の構造になっていた。内部の造作の屋根は板葺、外部のそれは瓦葺であった。「球陽」尚貞王一九年(一六八七)条によると、葉壁山ようへきざん玉陵が大破したため島のサバクリから訴えがあり、首里王府が人員を派遣して現在の石造の墓に重修した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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