デジタル大辞泉 「造作」の意味・読み・例文・類語
ぞう‐さく〔ザウ‐〕【造作】
1 つくること。こしらえること。
「其人物を―せば」〈逍遥・小説神髄〉
2 家を建てること。また、その家。「離れを
3 建築内部の仕上げ材・取り付け材の総称。
4 顔の目や鼻のつくり。目鼻立ち。「
[類語](2)建築・建設・建造・築造・営造・造営・
建築工事のうち,柱,はりなどの構造部材以外のもので大工職が担当する部分をいう。雑作の転訛した語といわれる。木造建築では,天井,床,階段,建具枠,床の間,押入れなどからなる。
伝統的な和風住宅の造作には,竿縁(さおぶち)天井,格(ごう)天井,板床,畳寄せ,敷居,鴨居(かもい),無目(むめ),なげし,床の間のかまち,落し掛け,違棚,書院などが用いられ,それらの部材の構成方法には一定の形式が存在している。和風住宅では柱の心と心との間の寸法,または内法(うちのり)寸法が地域ごとに規格化されており,造作に用いられる木材の長さも数種類に限られている。またそれらの断面形状には,柱の太さを基準にして一定の比率で決められた寸法が用いられている。この寸法比率の規範のことを木割という。木割が存在することによって,和風造作はあるレベル以上の意匠が容易に得られていた。また造作に用いられる木材も,銘木などとして市場に流通することが可能になっている。和風造作の材料は木材が主であり,その組合せには伸縮を吸収し,そりを矯正するようなくふうがなされる。これらには大工の高度な加工技術が生かされている。
洋風建築でも初期のものは,床,壁の羽目板,幅木(はばき),窓枠,出入口枠,階段,作りつけ家具など多くの部分が木材を用いた造作工事となっていた。しかし,床,天井,壁といった主要な部位の工事については造作から独立させて扱うことも多かった。
現在の建築工事では,従来は造作工事であった部分でも大工職以外の職種によって工事が行われることが多くなっている。建築材料が木材から無機系の材料に移行し,それとともに構法が変化したことが一因である。また,造作は大工の高度な技能が発揮される対象であったが,労務費の高騰,熟練技能者の減少などにより,相対的に建設費のかかる部分となってきている。その結果,造作工事であった部分が,工場生産された部品・建材などで構成されるように変わりつつある。また,出入口枠などは,あらかじめ所定の断面形状に加工されたものが使われるなど,造作工事の合理化が進められている。作りつけ家具なども主要な造作工事であったが,現在では既製品のユニット家具が用いられることが多い。なお,造作ということばは,建物を作ること,あるいはその建物自体を指すこともある。
執筆者:深尾 精一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
字通「造」の項目を見る。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報
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