造作/雑作(読み)ゾウサ

デジタル大辞泉の解説

ぞう‐さ〔ザウ‐|ザフ‐〕【造作/雑作】

手間や費用のかかること。めんどう。「―もなく事を運ぶ」「―を掛ける」
もてなし。ごちそう。
「飛んだ御―を頂きます」〈鏡花高野聖

ぞう‐さく〔ザウ‐〕【造作】

[名](スル)
つくること。こしらえること。
「其人物を―せば」〈逍遥小説神髄
家を建てること。また、その家。「離れを造作する」
建築内部の仕上げ材・取り付け材の総称。鴨居(かもい)敷居長押(なげし)天井・床・建具など。「造作に凝る」
顔の目や鼻のつくり。目鼻立ち。「造作の大きい派手な顔」

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世界大百科事典 第2版の解説

ぞうさく【造作】

建築工事のうち,柱,はりなどの構造部材以外のもので大工職が担当する部分をいう。雑作の転訛した語といわれる。木造建築では,天井,床,階段,建具枠,床の間,押入れなどからなる。 伝統的な和風住宅の造作には,竿縁(さおぶち)天井,格(ごう)天井,板床畳寄せ,敷居,鴨居(かもい),無目(むめ),なげし,床の間のかまち,落し掛け,違棚書院などが用いられ,それらの部材の構成方法には一定の形式が存在している。

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大辞林 第三版の解説

ぞうさく【造作】

( 名 ) スル
家を建てたり、手を入れたりすること。 「両親の隠居所を-する」
建物の内部の仕上げ工事。天井・床板・建具・棚・階段などを取り付けること。また、そのもの。
顔のつくり。目鼻立ち。 「顔の-がまずい」
つくること。また、つくられたもの。 「かりそめにも此理に心を注がずして、其人物を-せば/小説神髄 逍遥

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精選版 日本国語大辞典の解説

ぞう‐さ ザウ‥【造作・雑ザフ作】

〘名〙
① (━する) 仏語。意識してつくりだすこと。
※正法眼蔵(1231‐53)仏教「その成就といふは、造作にあらす、無作にあらす」
※十善法語(1775)四「呪術を造作して世間を利益すとある」
② 技巧。
※遊楽習道風見(1423‐28頃)「此『小馬とめて』の歌の如く、まさしくさうさの一もなく風躰心をも求めず」
③ 手のかかること。手数のかかること。手間のかかること。骨折り。面倒。厄介。
※実隆公記‐大永七年(1527)四月一四~一七日紙背(三条実香書状)「昨日内々渡御儀申候つる。還而御雑佐之様候間、重而不申候」
※石山本願寺日記‐顕如上人文案・天正六年(1578)九月一〇日「仍信長此表へ罷向由候、番衆之儀いつもざうさながら何時によらず案内次第にのぼるべく候」
※浮世草子・好色万金丹(1694)三「此文を人雇ひして遣るも造作(ザウサ)のかかる事と思案して」
④ 費用のかかること。ことをするためにかかる金。
※上杉家文書‐(年月日未詳)(江戸)鉄砲一巻之事「毎年入不申候鉄炮を張申事、いらざる儀に候へども、算用仕、見申され候へは、年に百挺宛すたり申候ても、五六百石の御ざうさに御座候」
※浄瑠璃・薩摩歌(1711頃)中「こっちもぞうさがすくないと、さす手引手にさん用也」
⑤ ごちそう。もてなし。ごぞうさ。
※咄本・戯言養気集(1615‐24頃)上「いざこれをよび、我こをしゅくせんとて、ことごとしきざうさなど物し、むかひをやり」
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)五「これはありがたい。まんぢうの代もよろしうおたのみ申ます。ハハハハハ、おもいがけないおざうさにあづかりました」
⑥ 近世、加賀国(石川県)で、下級の遊女のこと。
※評判記・色道大鏡(1678)一四「伊勢の遊び女を彦右(ひこゑ)といひ、尾州にては壁むしり、加賀にては造作(ザウサ)、越前にて干瓢(かんぴょう)

ぞう‐さく ザウ‥【造作・雑ザフ作】

〘名〙
① つくること。こしらえること。製作。また、つくられたもの。
※律(718)逸文・壇興「若有造作、及有毀壊、備慮不謹、而誤殺人者。徒一年半」
※名語記(1275)五「糸にしもかぎらず、造作にもくみ物はあるべし」
※童子問(1707)下「二氏之数、皆出其意想造作
※小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下「此理に心を注がずして、其人物を造作(ゾウサク)せば」 〔易経疏‐繋辞下〕
② 建物をつくること。建築すること。また、その建てられた建物。家作。
※後二条師通記‐寛治六年(1092)六月二三日「造作之間、臨時工等給祿、大工則季馬給之」
※愚管抄(1220)六「六波羅平相国が跡に二町をこめて造作しまうけて京へ入りける」
※徒然草(1331頃)五五「造作は、用なき所をつくりたる、見るも面白く、万の用にも立ちてよしとぞ」
③ 建物内部の建具・取付物の総称。床の間・戸棚・階段・流し・畳などの類。
※俳諧・誹讔三十棒(1771)「造作(ザウサク)は戸棚ひとつ」
※酒中日記(1902)〈国木田独歩〉五月一七日「内部(うち)の雑作(ザウサク)も半ば出来上った新築校舎」
④ 顔のつくり。顔の目鼻立。器量。
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「非道(ひど)く癯(やつ)れてゐる故(せゐ)か顔の造作(ザウサク)がとげとげしてゐて」

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