伊是名村(読み)いぜなそん

日本歴史地名大系 「伊是名村」の解説

伊是名村
いぜなそん

面積:一五・四二平方キロ

沖縄島の北西海上約三五キロに位置する。主島は伊是名島で、属島の屋那覇やなは島・具志川ぐしかわ島は無人。北に具志川島を挟んで伊平屋いへや島がある。当村をメージ(前地)と称するのに対して、伊平屋村をクシジ(後地)という。砂岩と古生代本部層のチャートからなり、中央を北西から南東に山地が連なり、最高所は北西部の大野おおの(一一九・九メートル)。山地の東側低地仲田なかだ諸見しよみ内花うちはな、西側の低地に伊是名・勢理客せりきやくの各集落が立地する。

伊是名村
いじなむら

[現在地名]伊是名村伊是名いぜな

伊是名島の南西部に位置する。伊平屋いひや島を構成する八行政村の一つで、番所が置かれた主邑。第二尚氏の開祖である尚円(金丸)の姉(真世仁金)を祖とする伊平屋の阿加那志の敷地(御殿)叔父(真三良)を祖とする銘苅大屋子(銘苅家)の屋敷が所在する。伊是名グスク伊平屋島御殿がある。南に浮ぶ屋那覇やなは島は当村の属島。「琉球国由来記」に記される祭祀は公儀祈願所の「アカラ嶽御イベ」「大城ミヤ御イベ」「伊是名ノロ火神」、島中拝所の「川嶽御イベ」「トカイ嶽御イベ」など。絵図郷村帳に伊是那村とみえる。琉球国高究帳では伊是那村として高頭二〇〇石余のうち田一六七石余・畠三二石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伊是名村」の意味・わかりやすい解説

伊是名〔村〕
いぜな

沖縄県沖縄島の北西部,那覇市から北西約 90kmの東シナ海上にある伊是名島具志川島,屋那覇島,降神島の 4島からなる村。1939年伊平屋村より分離して成立。村名は主島名による。中心の伊是名島は周囲約 16km,面積 14.14km2でほぼ円形。中部は標高約 100mの古生層からなる山地。南東部は山が海に迫って急傾斜であるが,大部分は砂浜浸食が進み,変化に富む地形を示す。総面積の約 25%が田や畑で,サトウキビ,米を産し,製糖工場があるほか,畜産,漁業も行なわれる。琉球王朝第2尚氏(尚円王統)の始祖尚円王の出生地で,それにちなむ名所旧跡が多く,国の重要文化財の銘苅家住宅(めかるけじゅうたく)は円王の叔父の子孫の家と伝えられる。東部の仲田港と沖縄島の運天港の間に村営船便がある。面積 15.43km2。人口 1322(2020)。

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