伊延湊
いのべみなと
沖永良部島の西岸北部にあった湊。近世は和泊村のうちで、一〇月から翌二月までの冬期は和泊湊、三月から九月までの夏期には伊延湊が利用された。当湊には津口番所が置かれ、水蔵や砂糖収納蔵があった。享保一九年(一七三四)頃、伊延湊に朝鮮船一艘が漂着、乗組員は男一八人・女一〇人で、琉球へ送り届けようとしたところ、肥前長崎に向かいたいと手真似するので、二重堀をめぐらした木屋に入れ、一人当り白米四合ずつを渡したが、不足であると腹を押える真似をするので一升とした(沖永良部島代官系図)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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