和泊(読み)わどまり

改訂新版 世界大百科事典 「和泊」の意味・わかりやすい解説

和泊[町] (わどまり)

鹿児島県大島郡の町。人口7114(2010)。沖永良部(おきのえらぶ)島の北東半を占める。隆起サンゴ礁で覆われた平たんな段丘状の地形で,最高所の越山(こしやま)(188m)のみは古生層からなる。総面積の半分以上が耕地で,1戸当り平均耕地面積や1戸当り農家所得が県下では上位に位置する農業中心の町である。サトウキビ栽培を中心にエラブユリ(テッポウユリ),フリージアなどの球根栽培,サトイモ栽培,肉牛肥育などが行われる。中心集落の和泊は島の海の玄関口であり,フェリー貨客船が発着する。東端国頭(くにがみ)岬には沖永良部空港があり,鹿児島市および奄美大島,与論島と結ばれる。琉球北山王の子世之主の墓や,1862年(文久2)この地に流された西郷隆盛に関係のある多くの史跡がある。
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