伊是名グスク(読み)いぜなぐすく

日本歴史地名大系 「伊是名グスク」の解説

伊是名グスク
いぜなぐすく

[現在地名]伊是名村伊是名

伊是名島の東岸、海に突き出た標高約九八メートルの独立したチャートの岩山からなるグスク。伊是名城跡として県指定史跡。築城時期は不明。伝承では一四世紀中頃、伊平屋いひや島を支配していた屋蔵大主が子の鮫川(佐銘川)大主(尚巴志の祖父)に伊是名を治めさせ、その時に築城したとも、あるいは住民に石を供出させてグスクの補強改修をさせたとも伝える。グスク内の「伊是名ミヤ御イベ」「高城ミヤ御イベ」「大城ミヤ御イベ」の三つの御嶽が公儀祈願所として「琉球国由来記」に記されている。麓近くには尚円王の父などを葬った伊是名玉御殿たまうどうんがある。グスクの東・西・南の三方は海に面して切立っており、ピラミッド形となっているが、北側のみは緩やかな斜面で、石垣が巡らされている。石垣は野面積みだがチャートとサンゴ石を交互に積上げた珍しいもの。城内には井泉(泉)があり、石川いしじやーとよばれ、昔から日照りでもかれることがなかったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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