朝日日本歴史人物事典 「伊藤平左衛門」の解説
伊藤平左衛門(9代)
生年:文政12(1829)
幕末明治の名古屋の堂宮大工。初代は名古屋城築城に従事したと伝えられ,尾張(名古屋)藩作事方棟梁も務めた。明治以後も一貫して建築業を営み,現代の12代目に至る。代表作は3代目の東本願寺名古屋別院本堂(元禄期),6,7代目の同院再建(文政期),8代目の高野山金堂(嘉永期)。 明治維新を迎えた9代目は,愛知県庁舎,見付小学校(静岡県),三重県庁舎などを建設,明治初期東海地方に洋風建築をもたらす一方,西本願寺築地別院,東本願寺函館別院をはじめ近代社寺建築も数多く手がけた。
(松波秀子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報