伊郷(読み)ひごう

日本歴史地名大系 「伊郷」の解説

伊郷
ひごう

和名抄諸本のうち名博本は「昆伊」に作るが、高山寺本・伊勢本・東急本・元和古活字本の「伊」に従う。訓も「比」、「ヒ」(名博本傍訓)で一致する。大宝二年(七〇二)の筑前国嶋郡川辺里戸籍(正倉院文書/大日本古文書(編年)一)に肥君が確認され、肥後国に本拠を置いた火君・肥君に由来する郷名と考えられる。表記は「木国」を「紀伊国」と表したのと同様な事例である。



いつきごう

「和名抄」諸本にみえる郷名。訓は不明だが、イツキと読むか(大日本地名辞書)。滋賀県信楽しがらき宮町みやまち遺跡出土の木簡に「(表)遠江国長下郡伊筑郷」「(裏)天平十六年七月」との記載をもつ荷札がみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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