伏鉦(読み)ふせがね

精選版 日本国語大辞典 「伏鉦」の意味・読み・例文・類語

ふせ‐がね【伏鉦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏具台座に伏せてのせ、念仏のときに撞木たたきならす鉦。たたきがね。ひらがね。
    1. 伏鉦<b>①</b>
      伏鉦
    2. [初出の実例]「伏鉦は利足もとらずかしてやり」(出典:雑俳・口よせ草(1736))
  3. ( 形がに似るところから ) 鮑(あわび)をいう、僧侶仲間の隠語
    1. [初出の実例]「ふせ鉦や天がいを喰ふとら和尚」(出典:雑俳・柳多留‐四二(1808))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の伏鉦の言及

【鐘∥鉦】より

…歌舞伎囃子では鉦は祭囃子や町の場面を表すときに使われる。 伏鉦(ふせがね)は鉦の縁に小さな三つ足のついたもので,伏せて上から柳撞木で打つ。念仏講で打つもので,念仏鉦ともよばれる。…

【双盤】より

…歌舞伎の下座音楽では寺院の場の描写や立回り,花見などの場面で奏される。手に持って奏する小型のものは単に鉦,あるいは当り鉦などといい,民俗芸能や下座音楽で広く用いられ,また3本の脚をつけ下に置いて奏する伏鉦(ふせがね)(叩鉦(たたきがね),伏鉦鈷(ふせじようこ))は念仏の際に用いる。双盤,当り鉦,伏鉦はいずれも多くの場合,念仏に関連して用いられることが特徴的である。…

※「伏鉦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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