撞木(読み)しもく

精選版 日本国語大辞典「撞木」の解説

し‐もく【撞木】

〘名〙 「しゅもく(木)」の変化した語。
※宇治拾遺(1221頃)一「あるの、礼盤にのぼりて、すこしかほげしき違ひたるやうになりて、しもくをとりてふりまはして、打ちもやらで」
※太平記(14C後)一五「悪し、其の義ならば、鳴様に撞とて(シモク)を大きに拵へて」
[語誌]「しゅもく」の転じた語形であるが、拗音の表記の問題があり、中世後期の節用集まで「しゅもく」の語形は見えない。「日葡辞書」は「しもく」のみを立項するが、同時期の節用集に両形が見られ、「妙本寺蔵いろは字」には「杵木 シュモク シモク共」とあるところから、おそらくは中・近世頃には両形が併存していたのであろう。

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デジタル大辞泉「撞木」の解説

しゅ‐もく【×撞木】

仏具の一。鐘・たたきがねけいを打ち鳴らす丁字形。また、釣鐘を突く棒。かねたたき。しもく。
《形が1に似ているところから》突棒つくぼう異称

し‐もく【×撞木】

しゅもく」の音変化。
「—を取りて振りまはして、打ちもやらで」〈宇治拾遺・一〉

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世界大百科事典内の撞木の言及

【ばち(桴∥撥)】より

…邦楽器の打奏具としては,太鼓,かねなどの打ち棒をいうが,必ずしも棒状のもののみをいうのではなく,頭部を洋楽器のタンポンのように,なんらかのもので包んだものをもいい,その場合〈ばい〉ともいい,〈棓〉の字を当てることもある。また,棒の先で突き鳴らすものは,〈撞木(しゆもく)〉といって区別し,それにも梵鐘(ぼんしよう)を突く太い丸太状のものから,(かね)類をたたく丁字形のものまであるが,後者の頭部が球状になっている〈角(つの)撞木〉などは〈角桴〉ともいい,必ずしも〈撞木〉と〈桴〉とが厳密に区別されているわけではない。 日本の撥弦(はつげん)楽器のうち,とくに琵琶および三味線などの比較的大型の撥弦具を〈ばち〉といい,〈撥〉の字を当て,指先に付けたりはさんだりする義甲の〈爪(つめ)〉とは区別される。…

※「撞木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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