伝承学(読み)でんしょうがく(その他表記)`ilm al-Ḥadīth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伝承学」の意味・わかりやすい解説

伝承学
でんしょうがく
`ilm al-Ḥadīth

イスラムの預言者ムハンマドの言行に関する伝承 (→ハディース ) についての学問。イスラム法学,神学における種々の問題を考える場合,まず預言者がそのような問題についていかなる見解を有していたか知っておく必要性があったので,預言者の多くの言行 (→スンナ ) に関する伝承が収集され,書物として編まれた。そのうち基礎的なものが六大伝承集である。すなわちブハーリームスリムアブー・ダーウードティルミズィー,イブン・マージャ,ナサーイーの6人の伝承収集家が,各自吟味のうえ編纂した6つの伝承集である。しかし収集された伝承のおのおのが,真正のものか偽作であるかという問題が常につきまとっているため,その伝承の伝達過程を研究し,真偽について議論することも盛んに行われた。このように伝承を収集し,その真偽を研究することを伝承学という。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ユーラシア大陸、北アメリカ大陸北部に広く分布し、日本では北海道にエゾヒグマが生息する。成獣は体長2メートル以上、体重300キロにもなり、日本最大の陸生動物として知られる。雑食性で草や木の実、サケ、シ...

ヒグマの用語解説を読む