アブーダーウード(その他表記)Abū Dā`ūd

改訂新版 世界大百科事典 「アブーダーウード」の意味・わかりやすい解説

アブー・ダーウード
Abū Dā`ūd
生没年:817-888・889

ハディース六書の一つ《スナンの書》を著したハディース学者。バグダードで研鑽後20年ほど諸国を遍歴して総計50万に及ぶ伝承を収集したといわれる。そのうちの4800をまとめて師のイブン・ハンバルに呈したのが同書であるが,イスナード(伝承の過程記録)に不備なものが多数みられる。ただ信徒の日常の指針となる法関係事項が豊富なため,ブハーリームスリム(817-875)の両サヒーフ集に次ぐ権威として広く利用された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 磯崎

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブーダーウード」の意味・わかりやすい解説

アブー・ダーウード
Abū Dā'ūd, al-Sijistānī

[生]817
[没]889.2. バスラ
イスラムの伝承学者。その著書『言行録集』 Kitāb al-sunanは六大伝承集 (ハディース) の一つで,スンニー派法学によって重んじられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android