伝染呪術(読み)でんせんじゅじゅつ(その他表記)contagious magic

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伝染呪術」の意味・わかりやすい解説

伝染呪術
でんせんじゅじゅつ
contagious magic

イギリスの人類学者 J.フレーザーによって提唱された共感呪術の2つの型のうちの一つ。感染呪術とも訳される。かつて接触の状態にあったものは,たとえ遠く空間をへだてたのちでも,一方に対してなされたすべてのことが,必ず他の一方にも同じ影響を与えるという原理が,この型の呪術の論理的基盤となっている。たとえば,ある人が他人を傷つけ,病気や死に陥れたいと望むとき,その人は相手の髪の毛や爪あるいは衣服の一部などを手に入れ,それを刺したり焼いたりすれば,直接手を下さなくても相手を病気にしたり,死なせることができるとされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android