伯楽の一顧(読み)はくらくのいっこ

故事成語を知る辞典 「伯楽の一顧」の解説

伯楽の一顧

すぐれた人物知遇を受けることのたとえ。また、世にうずもれていた者が、有力な知遇を得て、才能を発揮する機会が開けることのたとえ。

[使用例] は不幸にして未だ良師を得ません。〈略〉今伯楽一顧を得て、ほんていして千里を致すのおもいがあります[森鷗外*魚玄機|1915]

[由来] 「戦国策―燕策」に出て来るエピソードから。紀元前七世紀、春秋時代の中国でのこと。ある男が、自慢の馬を市場に売りに出しましたが、三日経っても売れません。そこで、馬を鑑定するのがとても上手だという評判の伯楽という人物に会いに行き、「私の馬を見て、『去りてこれを顧み(去り際に振り返ってもう一度見)』てくれれば、お礼をしましょう」とお願いをしました。伯楽がその通りにしたところ、まわりの者は伯楽がその馬を高く評価しているのだと思い込み、その馬の値段は一〇倍に跳ね上がった、ということです。

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