伽耶院(読み)がやいん

日本歴史地名大系 「伽耶院」の解説

伽耶院
がやいん

[現在地名]三木市志染町大谷

西流する大谷おおたに川の右岸にある。大谷山と号し、本山修験宗。本尊毘沙門天。京都聖護しようご院末であった。大化元年(六四五)法道により創建されたと伝える。孝徳天皇の勅願所であったとされ、当時は一三〇余の坊舎があったという(美嚢郡誌)。「峯相記」には「大谷毘沙門」と記される。永正五年(一五〇八)九月二〇日の播磨国檀那売券(熊野那智大社文書)には三喜みなぎ郡大慶寺(伽耶院)岩本坊とあり、同坊門弟が先達する地下一族らの檀那など月光房玉井の持分が一貫三〇〇文で売却されている。天文一七年(一五四八)三月一〇日の葛城入峯役銭定文(向井家文書)には本山(葛城)諸先達として伽耶院の東一坊隆求がみえ、他の先達一〇名とともに葛城修験の御師向井氏に同年分の役銭と礼物として四〇疋(四〇〇文)を納めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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