佐手原郷(読み)さてばらごう

日本歴史地名大系 「佐手原郷」の解説

佐手原郷
さてばらごう

佐千原さちはらがその遺称であろう。その辺りに比定される。

弘安五年(一二八二)七月付尾張国千世氏荘坪付注進状案(醍醐寺文書)に「中嶋郡北条美和郷佐手原村」とあるのが地名の初見。また、嘉暦二年(一三二七)一二月付荒尾宗顕譲状(妙興寺文書)に「佐手原郷」とあるのが郷名の初見である。荒尾宗顕は佐手原郷四町五反を「重代相伝所領」とし、養子一宮親真に譲り、北条守時外題安堵を得ている。親真に近い人物と思われる能親は、貞治二年(一三六三)当郷を妙興みようこう寺へ本銭返し五〇貫文で売却した。

嘉慶二年(一三八八)妙興寺坪付注文には荒尾泰隆寄進分として「一所参町 佐手原」とみえているが、応安二年(一三六九)の公役納法下地等注文には「二宮方」として「一所五丁 左手原 三貫文此内一貫丁畠分二貫講代分」とみえ、永和二年(一三七六)の妙興寺領年貢注文では「三丁五反五丁内一丁五反壱岐太郎押妨 十貫五百文此内色三貫文 左手原」とみえている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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