朝日日本歴史人物事典 「佐藤晩得」の解説
佐藤晩得
生年:享保16(1731)
江戸中期の俳人。通称,又兵衛祐英。堪露,北斎,朝四,木雁,哲阿弥などを号す。居が向島牛島神社近くにあったので,半渚老魚,牛島庵とも称した。秋田角館の人。佐竹藩江戸詰留守居役を勤めた。俳諧は右江渭北門のち馬場存義門。西山宗因の風を慕い,居室に「清談林」の額を掲げたという。谷素外らと考えを同じくした。交流圏は広く,酒井抱一,柳沢信鴻,十寸見蘭洲らと親交する。句集に七回忌刊行の『哲阿弥句藻』がある。多くの著作のうち,諸俳人の逸話を記した『古事記布倶路』は特に有名。
(楠元六男)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報