朝日日本歴史人物事典 「又兵衛」の解説
又兵衛
江戸前期,筑前(福岡県)宗像郡鐘ケ崎の海士の代表者。能登へ出漁し,加賀藩祖前田利家の地方巡視のおり,熨斗鮑を献じて能登の浦々,七ツ島,舳倉島の採鮑権を得,その後藩主利常から鳳至郡に土地を下賜されて,慶安2(1649)年海士町を開く。なお,能登への出漁は永禄年間(1558~70)に又兵衛が羽咋郡千ノ浦辺に漂着したのに始まるとする伝承もある。<参考文献>「乍恐海士又兵衛申上候」(『住吉神社古文書』輪島市教育委員会文化課蔵)
(田島佳也)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報