何鹿郡(読み)いかるがぐん

日本歴史地名大系 「何鹿郡」の解説

何鹿郡
いかるがぐん

丹波国の北端に位置し、その東北隅の三国みくに(六一六・四メートル)によって丹後および若狭(現福井県)と国境を分ける。近世に郡境の変動がみられる。

郡名の初見は平城宮出土木簡で「丹波国何鹿郡高津郷交易小麦五斗」とあり、年紀不明であるが伴出したものからみて天平年間(七二九―七四九)末期と考えられている。また「三代実録」貞観五年(八六三)六月三日条に「以丹波国何鹿郡仏南寺真言院、即付国司検校」とある。

郡名を「延喜式」神名帳(武田本)は「何鹿」と記し、「イカルカ」と訓じる。「和名抄(刊本郡部)も「伊加留加」と訓じている。その呼び名の起りについて、「丹波志」は「按スルニ古ヘ此郡鵤多ク産栖ス、因テ号シ文字ヲ転セラレタルカ、播磨国ニ鵤郷アリ、大和国ニ斑鳩里アリ、例ナキニアラズ」としている。また「丹波誌」にも「斑鳩ノ産地ナルヲ以テ古人ガ爾名ヅケタリト云フ(中略)万葉仮名ニテ如何流鹿ト書キ或ハ何如留鹿ナド書キタルヲ国名郡名ヲ二字ニ定メラレタル時コレヲ省キ今ノ二字ニシタルナリトカヤ」と述べている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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