福知山市(読み)フクチヤマシ

デジタル大辞泉 「福知山市」の意味・読み・例文・類語

ふくちやま‐し【福知山市】

福知山

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日本歴史地名大系 「福知山市」の解説

福知山市
ふくちやまし

面積:二六四・四三平方キロ

京都府丹波地区の西北部に位置し、北西部に大江おおえ(山頂は加佐郡大江町)赤石あかいしヶ岳・三岳みたけ山などの標高八〇〇メートル前後の山岳地帯を含む。市の中心は四〇〇―五〇〇メートルの山に囲まれた福知山盆地で、東隣の綾部市から西流する由良川が、南東の天田郡三和みわ町から流れる土師はぜ川を盆地中央やや西寄りで合して北に向きを変え、加佐郡大江町に流下する。南は兵庫県氷上ひかみ郡、西は天田郡夜久野やくの町と兵庫県出石いずし但東たんとう町に接する。

昭和一二年(一九三七)天田郡よりその中央部分が分離して成立した市で、現市域は旧与謝郡と何鹿いかるが郡の一部を含む。

福知山の名は、天正七年(一五七九)丹波に進撃した明智光秀が、この地にあった横山よこやま城を落城させ、家臣を城代に置いて福智山城と改名、近世的城塞に改修したのに始まるとされる。福智山は富士山の古名で、それによったともいわれるが不詳。文献的には天正九年四月一〇日、この城を光秀とともに訪れた茶人津田宗及の日記に「福地山」とみえるのが早い。

〔原始〕

由良川の支流土師川河岸段丘には早くから人の住んだ痕跡がある。福知山盆地東南部の長田おさだ和田賀わだが遺跡から採取された削器は、先土器時代のものといわれる。盆地の西北部、由良川西方の台地にある奥野部おくのべ和久寺わくでらの遺跡からは縄文初期と認められる有舌尖頭器が見付かっている。また盆地南部の武者むしやたに遺跡からは、刺突文小型丸底土器がほぼ完形に復する状態で出土、縄文草創期のものとされる。縄文後期に入ると盆地西側の半田はんだ遺跡、東側の上野平うえのだいら遺跡などから土器片や石器が出土している。

弥生時代の遺跡は盆地内の発掘調査が少なくその数はあまり多くないが、それでも綾部市に近い由良川南岸の地で、石剣を出土した観音寺かんのんじ遺跡、集落跡を伴う上野平遺跡・半田遺跡、台付無頸壺が発見されたおき遺跡など弥生時代人の生活を証する遺跡は少なくない。

丹波地方は古墳前期の遺跡が乏しいといわれるが、最古といわれる宝蔵山ほうぞうやま四号墳をはじめ、中期にはその東南のやつだに古墳など特色ある大型方墳が確認できる。後期には稲葉山いなばやま古墳群の一〇号墳などをはじめ前方後円墳が認められ、また二九基が確認されたまき古墳群など多くの古墳群が盆地周辺部の台地に散在する。

〔古代〕

福知山市の属した天田郡の地名が文献に現れる最初は天平一九年(七四七)九月二六日付の勅旨(「東大寺要録」所収)で、「丹波国天田郡五十戸」とある。「続日本紀」天平神護二年(七六六)七月二六日条に「散位従七位上昆解宮成得白鑞以献、言曰、是丹波国天田郡華浪山所出也」という記事があり、この華浪はななみ山は瘤木こぶのきにある花並はななみ山とされ、のちにこの地方は銀・亜鉛などの鉱物を産出している。


福知山市
ふくちやまし

2006年1月1日:福知山市が天田郡三和町夜久野町、加佐郡大江町を編入
【三和町】京都府:天田郡
【夜久野町】京都府:天田郡
【福知山市】京都府
【大江町】京都府:加佐郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福知山市」の意味・わかりやすい解説

福知山〔市〕
ふくちやま

京都府北西部,福知山盆地の西半部を占める市。北に酒呑童子伝説などで知られる大江山がそびえる。1937年市制。2006年三和町,夜久野町,大江町を編入。中心市街地の福知山は,由良川と土師川の合流点に位置し,古来山陰道の宿駅,由良川水運の河港。天正7(1579)年明智光秀の築城後,城下町として発展。丹波地方の商業,交通の中心で,繊維,食品,製材工業が行なわれ,市街地東部の長田野には大規模な工業団地が立ち並ぶ。家畜市場があり,丹波牛の取り引きで有名。農村部では米作,養鶏,林業が行なわれる。由良川の氾濫で,しばしば水害を受けたため,堤防建設が進められている。文亀2(1502)年建立の島田神社本殿は国の重要文化財に指定されている。また市内には国の重要文化財の絹本著色十六羅漢像,絹本著色即休契了像を所蔵する天寧寺,木造釈迦如来坐像がある宮垣の薬師堂などがある。丹後天橋立大江山国定公園に属する。JR山陰本線が通じ,福知山線が分岐する。国道9号線,舞鶴若狭自動車道のインターチェンジがある。面積 552.54km2。人口 7万7306(2020)。

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