余瀬村(読み)よぜむら

日本歴史地名大系 「余瀬村」の解説

余瀬村
よぜむら

[現在地名]黒羽町余瀬

南東へ流れる湯坂ゆざか川流域にある。西は白旗しらはた村、北は蜂巣はちす村。西方白旗丘陵と南・東の低地からなる。福原ふくわら(現大田原市)から北上する関街道が通る。古くは寄瀬よぜとも書き、源頼義が奥州攻めのとき白旗山に白旗を立て軍兵を寄集めたことに由来すると伝え、以前は粟野あわの宿と称していたという。あるいは寄瀬は白旗丘陵端に湯坂川などの水流が寄る意味とも考えられる。また粟野宿は鎌倉街道の宿駅といわれ、古くは東山道が通っていたとする説もある。嘉永五年(一八五二)の黒羽藩領在町住民家格調帳(蓮実彊文書)では、当村は秀衡ひでひら街道粟野宿といったが、治承四年(一一八〇)源義経の通行以後西側を白旗村、東側を余瀬村というようになったと記す。建長六年(一二五四)造立の新善光しんぜんこう寺阿弥陀如来像背銘に「東与世村」とある。

天正一八年(一五九〇)大関氏が豊臣秀吉から安堵された所領のうちに「余瀬」があり、「道場・光明寺」とともで一二六石七升(「黒羽藩領知高書上」宇都宮大学附属図書館蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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