日本大百科全書(ニッポニカ) 「侯馬」の意味・わかりやすい解説
侯馬
こうば / ホウマー
中国、山西(さんせい)省南西部の県級市。臨汾(りんふん)地級市に属する。人口24万2000(2014)。黄河(こうが)の支流汾水(ふんすい)の下流平野の中心都市の一つで、同蒲(どうほ)線(大同(だいどう)―華山(かざん))のほか、西安(せいあん)と本市とを結ぶ侯西線、焦作(しょうさく)市月山と本市とを結ぶ侯月線が通り、山西省と陝西(せんせい)省、河南(かなん)省を結ぶ要地である。明(みん)・清(しん)代には交通路上の鎮市であった。1958年に曲沃(きょくよく)、新絳(しんこう)両県とその他の県の一部を合して侯馬市とし、一時期旧に復したが、1971年曲沃県から分離して市となった。
春秋時代の晋(しん)国の中心地域で、国都の置かれた新田(しんでん)はここにあった。その都城や墓地などの遺跡が発掘され、晋国内の紛争処理を誓約した「侯馬盟書」をはじめとする多くの資料が発見されている。
[秋山元秀・編集部 2017年10月19日]