侵食谷(読み)しんしょくこく

精選版 日本国語大辞典 「侵食谷」の意味・読み・例文・類語

しんしょく‐こく【侵食谷】

〘名〙 河川氷河侵食作用によって生じた谷。ふつう河谷の上流部ではV字形で、氷食谷はU字形。断層に沿って生じた谷などに対していう。〔英和和英地学字彙(1914)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「侵食谷」の意味・わかりやすい解説

侵食谷
しんしょくこく

河川や氷河の侵食作用によって形成された谷で、おもに地殻運動が原因となって生じる構造谷に対する語。河川の侵食によるものは河谷、氷河の侵食によるものは氷食谷という。山地を刻む谷の大部分は侵食谷で、地質構造と無関係に生ずる谷のほうが多い。大陸氷床が移動する際に地殻の弱線に対して侵食が強く働くと線状の凹所を生じ、氷床が融(と)けたあとで谷となることがあり、カナダ実例がある。

[髙山茂美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android