保全命令(読み)ほぜんめいれい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「保全命令」の意味・わかりやすい解説

保全命令
ほぜんめいれい

仮差押え命令および仮処分命令総称である民事保全の命令をいう。債権者の申立てにより裁判所が行うもので,民事訴訟が解決されるか,強制執行ができるまでの間,本案権利を保全 (仮差押え) するため,または本案の権利関係についての仮の地位を定める (仮処分) ための処置。債権者は申立てにおいて保全の内容,対象,必要性を具体的に明らかにすることを求められる (民事保全法 13) 。申立てが却下された場合は2週間の不変期間内に即時抗告できるが,即時抗告の却下に対しては抗告できない (19条) 。債務者は保全異議の申立てができる (26条) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の保全命令の言及

【民事保全法】より

…ふつうに民事保全というときは,この民事保全上の仮差押えと係争物に関する仮処分と仮の地位を定める仮処分を指し,これを狭義の民事保全とよぶ。民事保全の手続は,保全命令に関する手続と保全執行に関する手続の2段階に分かれ,前者は保全命令の申立ての当否を審理して保全命令を発するべきかどうかを判断する裁判手続であり,後者は発せられた保全命令に基づいてその内容を実現する執行手続である。 保全命令(仮差押命令および仮処分命令)は債権者の申立てにより裁判所が発する(民事保全法2条1項)。…

※「保全命令」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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