保内町(読み)ほないちよう

日本歴史地名大系 「保内町」の解説

保内町
ほないちよう

面積:三七・一六平方キロ

佐田岬さだみさき半島の基部を占める農漁業の町。東は八幡浜やわたはま市、西は伊方いかた町に接する。西北には雨乞あまごい(四九九メートル)があって半島の尾根に連なり、北は伊予灘、南は宇和海に面する。標高二五〇―四五〇メートルの山が海に迫り平地に乏しく、急傾斜地には段畑が開かれ、現在では蜜柑の栽培で有名である。

中心集落の川之石かわのいしは、江戸時代後期から宇和海に面する良港として発達し、現在も街道町が旧態を残している。とくに西部の雨井あまい地区は明治期まで帆船海運業の根拠地であり、九州・中国・阪神に物資を回送する帆船の出入りで賑い、船主の大邸宅も現存している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報