改訂新版 世界大百科事典 「俱梨迦羅」の意味・わかりやすい解説 俱梨迦羅 (くりから) この語の原語は明らかではないが,一般にサンスクリットのkulikaと考えられている。このクリカは古代インド叙事詩《マハーバーラタ》では八大竜王の一で,暗褐色の体をもつとされている。密教の仏典では黒竜の意味に解され,俱梨迦羅竜(王)と呼ばれている。不動明王の三摩耶形(さんまやぎよう)(持物(じもつ)などによって示した形)として,直立の剣に黒竜がまつわりついた形がひろく用いられている。俱梨迦羅紋(くりからもん)と言われる図像は,すべて黒竜の姿をかたどるところからきている。執筆者:井ノ口 泰淳 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by