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個体化の原理 こたいかのげんりprincipium individuationis; principle of individuation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

個体化の原理
こたいかのげんり
principium individuationis; principle of individuation

個体を個体として他から区別する形而上学的原理をいう。すでにアリストテレスにおいて,個体の質料的な側面がその別性をなすものであり,一方形相は普遍的本性として,多くの個体間に共通のものであるとされた。かかる個体化の原理は中世スコラ哲学においても主要な問題となった。それはキリスト教教理において創造の対象としての個体,および救済の対象としての個人との関係,また三位一体の教理とこの個別性の関係が追求されたからである。特にトマス・アクィナスは質料が個体化の原理であり,したがって天使のような純粋に非物質的な存在はただその形相によってのみ個体化されるのであるとし,かくて有名な,同一の種に2種類の天使は存在しないという理論を展開した。これに対し J.ドゥンス・スコツスは個性原理ヘクセイタス (〈これ〉という形相的限定) を立て,この特殊な形相が物質と非物質とを問わずすべてのものの個体化にかかわっているとした。近世においてもライプニッツ,スピノザ,ショーペンハウアーなどにおのおの独自の考察がみられる。 (→ )

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